十日町

リー・ブル 「水の女神」 ★★★★☆

 山中の曲がりくねった道路をゆっくり走ると突然、池が表れる。池の両側にケーブルをかけ、そのケーブルにつるされた女神が池の中程に、その女神がなぜか光線に映え光っていた。ダイヤモンドでも纏っていてそれが 光を反映して光っているようにも思えた。池の中央につるされているため女神までの距離があり、材質がよく分からず、それだけに周りの環境から何か神秘的な感じがして非常に効果的であった。[YS]

 人里離れた山間のさらに奥地。途中からは徒歩でしか行けない弁天池に二千年蓮という薄紅色の蓮の群生する沼がある。沼の中央に両岸から糸で吊られた純白の天女の羽衣が宙に浮かぶように遠くに見える。陽の光を受け、揺れる度に宝石のようにキラキラと輝く。背景には樹々の深い緑。ビーズが縫い込んであるそうだが、白銀にきらめく繊細な光のコスチュームは生きている妖精のようにも見える。透き通った鏡のような水面に映り、静けさの中で息を飲むほど美しい。幻想的で神秘的。目には見えない天女の色香も感じた。[RH]

 山奥の池に、真夏の太陽を静かに映し出して浮かんでいる姿は、確かに美しい。しかし、側の池に紀元前2000年より咲いている蓮の花には負けているかも...。◎[AM]

 女神とか天女といった題材はうさん臭さを感じてしまうが、美しさで帳消し。周囲の雄大な自然に負けていない..というかうまく利用している。それよりもあの場所を選んだ試みが素晴しい。たった一つの作品を見に行くために延々と車を走らせ山奥に分け入るという超ヘンピな所なので、普通の展覧会だったら、設置した作品をビデオや写真で撮影した記録が展示されるところだろう。そういう点では一昔前のアースワークに通じるものがある。「大地の芸術祭」なんだし、今後この路線で展開で展開するのもいいかもね。ただし、そこまで足を運ばせて文句を言わせない作家の力量が必要だ。[EO]

 蓮の花の咲く池という抜群のロケーションは作品が良く見えて当り前とは思うけど、くやしいぐらいきれい。[YM]


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越後妻有アートトリエンナーレ
会期:2000年7月20日〜9月10日
URL:http://www.artfront.co.jp/
art_necklace/top.htm

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