週刊「÷3」

TEXT by Maki Takemoto

竹本真紀 profile
1976
青森県八戸市に看護婦の母とバンドマンの父の間に生まれる。

1992
中学校卒業記念イラスト展 (八戸NHK)文化センター

1994
バンド「根城パラダイス」(八戸西高等学校体育館で一度限りのライブ)

1999
国立弘前大学教育学部小学校教員養成課程卒業
美術科卒業制作展(弘前大学学生会館、弘前VIVRE)

2000
ひいらぎ展 (柏高島屋ステーションモール市民ギャラリー)
美学校トンチキアートスクール入校 千葉県柏市在中


居心地がよくなってきたら仕事のやめ時かも。
と、トータル的にみてそう、思った。
最初はできなかったり、人間関係、信頼関係を作っていくのも大変だったりだが、ある程度いろんなことがクリアになったら今までのことがうそみたいに好転してくる。
その好転が始まってくると、先が見えてくる。
そしたら、もう、つまらなくなる。
報酬も少ないと感じてくる。
しかし、居心地がよい場所を離れるということは苦渋の決断でもある。
楽しい仲間たちとももう、会えなくなる。
迷うけど、自然と次へ行かなければならない必然的なことが起こる。
自分の本来の目的は何か。流されてそこから離れてはならない。
横浜市の東横線桜木町駅跡地のスペースで働くことが決まり、今までやっていた仕事をやめることになった。 どんな仕事でも一度、どうしてもやめたいというときが来る。
しかし、すぐにやめることができないので、とりあえず自分を良い方にだまして仕事を続けるのだが、いつもその続けた先に予想もしないハッピーな結果が待っていることが多い。
しかし、その組織で認められて評価されるということは、間違いなく責任も出てくるし、もっと要求されてくる。
本業があるわたしはどうしてもそこまで責任をおうことができない。
だからわたしがこの場で、できることはもう、達成されたということになる。
この信頼されて、必要とされている状態に甘えさせてもらって、たまには働こうとも思っていたが、その甘えは新しい仕事の集中力、リズムを壊すことにもなり兼ねないと思った。
だいたい、やめたいと思ってやめることが多いのだが、こんなに後ろ髪をひかれることも始めてだ。
しかし、何かを選んだら何かを捨てなくてはならない。
なんでもかんでもほしがって、目標を達成することなんてできないと思う。
ここで流されたらまた無駄なときをすごしてしまう。
やめることになった仕事は建築関係の仕事だが、あるとき現場で別の同業種の方と、やりとりしながら仕事することがあった。
女の子二人で来ていたのだが、どうも、一人、会ったことがある気がして仕方がなかった。
絶対思い出そうとして、頭をしぼった。
そこかで施工、手伝いに来てたのかな。横トリのサポーターだったかな。絶対アート関係な気がする、、、。
と、思い出した瞬間、自分でもびっくり。
まあ、まあ、美術業界でも名の知れた人物だった。
年はわたしとそんなに変わらなかったと思う。
美術のときはほとんどコスプレ状態なので、普段のものすごく普通でボーイッシュな彼女に誰も気付くことはなにのかもしれないが、わたしは昔彼女の施工を手伝ったことがあったので、素の顔を知っていた。
話しかけようかな、どうしようかな、でも、こんなシチュエーションだしな。なんて思いながら、どうせ美術関係狭いからどっかでまた会うよ。そのとき話そ。と思った。
次の日現場びは若いおんなのこでなく、おっさん二人が来た。
おっさんはとてもきさくだったので、ちょっときいてみた。
「昨日、来てた人、昔会ったことあるんですよね、、、。」
「どこの現場で?」
「いや、別の場所で。あの人実は有名な人ですよね、、。」
と、もう一人のおっさんが、「彼女、業界では有名なんだって○○君言ってたよ。」
と言った。
職場ではあまり自分が何してるとか話してないみたい。
でもおっさんは彼女の仕事場での頑張りっぷりをすごく楽しそうに話してくれた。
いや〜、彼女は根性あるよ。と。
施工のときもすごく腰がひくかったのを覚えている。
特に働く必要性もないのに、親に働けと言われて働いてるみたいだよ。とも話していた。
そんなにいろいろ話していいのかい?と思ったけど。
でも、結構注目されているのに、頑張っているんだな〜。と思って励まされた。
でも、わたしはこの仕事はやめる。
前に進むのみ。

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