週刊「÷3」

TEXT by Maki Takemoto

竹本真紀 profile
1976
青森県八戸市に看護婦の母とバンドマンの父の間に生まれる。

1992
中学校卒業記念イラスト展 (八戸NHK)文化センター

1994
バンド「根城パラダイス」(八戸西高等学校体育館で一度限りのライブ)

1999
国立弘前大学教育学部小学校教員養成課程卒業
美術科卒業制作展(弘前大学学生会館、弘前VIVRE)

2000
ひいらぎ展 (柏高島屋ステーションモール市民ギャラリー)
美学校トンチキアートスクール入校 千葉県柏市在中


「迷う」ということは、あまりよくないことだときいたが、ある意味「迷える」ということは贅沢でもあると思いました。
迷うくらいならどっちもとってしまえという体力もありましたが、最近、やはり認めざるを得ない体力の低下というものもありまして、おのずと選ぶものが決まってきたりもしています。
というか、30歳になり、本当にこの道でよいのか?という選択を神様にせまられている気がします。
ただ、直感でこれはやっといた方がよいのだろうという気はしているのです。
21のとき一度めの選択がありました。
わたしは何でもとりあえずは一生懸命やるので、できないことも努力してできるようにしてきたので、それなりに何でも最後はできるようにはなってきたのでした。
21のときは、教員試験を受けるか、このまま絵をかくかという選択でした。
21のときは一度にいろんな苦労がふってきて、絵をかく以外自分に健康な道はないと思ったのでした。
そのままなんとなくすごしてきて、いつのまにか10年近くにもなっていたのでした。
その事実に気付き、多少のあせりというものがでてきました。
わたしは教員免許を五つ所持していますから、先生になって、安定した状態でゆっくり絵でもかいた方がよいのではないかということも今さら思ったりすることもあります。
しかし、何でも片手間ではできないので、わたし自身、先生という職業についた場合、かなり一生懸命に仕事してしまうのは明白なのです。
作品をつくっていくことは決まっていることなのですが、未来の保障もないまま、20代と同じスタンスで続けていくのか、それともきちんとした職について安定した状態で作品を作るのか、ということなのです。
わたしの場合やむを得ない事情で作品を作ることから離れたとしても自然とひきかえされるという、不思議な現象に何度も遭遇していて、そういう運命なのだと思いました。
だから何があっても作品は必ず作り続けるでしょう。
今、お金のためにしている仕事がありますが、そちらの方では、今までの経験と才能で、どんどん給料はあがるし、重要な場面で抜擢されたり、取り引き先に指名されたりして、なんだか自分のローテンションとは裏腹に、すごいことになってきています。
わたしはもともと制作したいので、社員になって責任をもつほどのことはできないし、いい距離とって仕事しているのですが、とりあえず仕事しているときはベストをつくすわけです。
その姿勢が周囲に受けがよいらしく、おまけに腕もよいときてるので、(今までの努力によって。不器用すぎて金だせないと言われてた時期もあり)ひっぱりだこなわけなのです。
この仕事は美術系の人間が多くて、実際この仕事をしながら制作を続けている作家もたくさんいます。
わたしはもともと正義感が強くて、小さい頃から自分が正義の味方の主人公みたいなイメージがあるので、困っている人がいたり、間に合わない!絶体絶命!
な仕事があったりするとなんとかおさめてしまう。癖があるのですが、そういうことが知らないうちに自分自身に大きなプレッシャーを与えていることにも気付きました。
何に対しても一生懸命になってしまうので、その一生懸命さをむけなくては行けない方向に全力で向けられていないことにひどいジレンマがあります。
たよりにされて評価されてとてもよい環境だけれど、一度しかない人生ですから、どこかで決断しなくてはならないときもあります。
ひとりでもんもんとあーでもないこーでもないと考えていたけれど、誘われた飲み会になんとなく答えがあるような気がして行ってみたら、あっさりすっきりしました。

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