週刊「÷3」

TEXT by Maki Takemoto

竹本真紀 profile
1976
青森県八戸市に看護婦の母とバンドマンの父の間に生まれる。

1992
中学校卒業記念イラスト展 (八戸NHK)文化センター

1994
バンド「根城パラダイス」(八戸西高等学校体育館で一度限りのライブ)

1999
国立弘前大学教育学部小学校教員養成課程卒業
美術科卒業制作展(弘前大学学生会館、弘前VIVRE)

2000
ひいらぎ展 (柏高島屋ステーションモール市民ギャラリー)
美学校トンチキアートスクール入校 千葉県柏市在中


最近二つ仕事を断りました。
その反応が全く正反対で、一つめは、断った瞬間全く何も返事が来なくなりました。
「了解しました。」も何も。
二つめは、「わかった。」と言われたので、それでよいのだ。と思っていたら、すご〜く根にもっていて、忘れた頃にこちらが消耗するようなメールを送りつけられたりしました。
以前は全く自分には関係のない仕事か、関係のある仕事の話しか来なかったので、即座に断ることができましたが、最近来る仕事の話というのは、即座に判断できないような微妙なラインのものが多く、一度は受けてしまったのに断ったりして、余計相手の印象も悪いようです。
自分の方向性がある程度決まってきて、気持ちに余裕があるから手伝えることは手伝おうと、サービス精神旺盛な感じでやってきましたが、まだまだ自分が作家として独立していないのに、いろんなことに手を出せないことにやっと気付いてきたわけです。
いつわかったかといいますと、先月行われたJAZZに合わせたライブペインティングのときでした。
イベントそのものは盛り上がったし、自分の方も楽しかったです。
当然、また次も!というお話になったわけですが、お断りしてしまいました。
このイベント、主催者の方とは今までおつきあいはあったわけですが、彼女の方からゲストで出てくれませんか?と言われたのは今回が初めてでした。
最初はトークと言われましたが、話すのが苦手だから絵をかいてきた人間がいきなりJAZZの合間にトークなぞ、どうしたらよいのやらということで、こちらからライブペインティングをご提案させていただきました。 ゲストなので、内容に集中すればよいと思っていましたが、このイベント、集客しなければ、わたしにギャラが出ないというのです。
つまり、自分のギャラは自分で集客して自ら生み出せということなのでした。
JAZZの世界では若手がお金を払ってでもステージに立ちたいものだ。若手はチケットノルマを自分に課せてそれを自分で解消していく事も勉強のうちだというのです。
それに比べたら、チケットを売ればその何割かが自分のギャラになるというのはすごく親切な条件です。
しかし、このピラミッド図式、銀座の貸ギャラリーや二科、日展などの団体展と何も変わらないではないですか。
おお、恐ろしい。確かに美術界は、チケットを売って集客してイベントを成り立たせる努力は、怠っている部分であるかもしれないとも思いました。
しかし、自分がイベント主催する場合、出演者には最高のものを作っていただきたいので、変なストレスは一歳もってほしくないので、チケット等を売る宣伝の努力や、それに見合わなかった部分は自分でかぶるものだと思っています。
チケットを買っていただければ、ギャラになる。いい話かもしれませんが、そんなことで小銭稼ぎをするような作家ではありません。
自分はどこに行きたいか、そこを明確にイメージしたら、そこのラインにこのことは入っていませんでした。 主催者側の方は少しでもこちらに協力できればと持ってきていただいたお話でしたが、感覚の違いは、仕方がないですね。
もう一つは、ある企画がコアすぎてまたは、巨匠を呼び過ぎて若手主体でないと助成金がおりないので竹本何か企画をからめないか?というお誘いでした。自分でも何か協力できればと思って最初は考えてみます。と言いましたが、自分のやりたいことがあって助成金申請するのならばまだしも、助成金のために企画を調整するということは、どんな企画をたててもだめだな。ということになりました。
それから、わたしは作家であり、キュレーターではないのです。
今、竹本真紀と○○展をしているのは、わたしと共同作業した人やおもしろい人を個人的に呼んで一緒に場所を共有するためです。
大きい展覧会に作家をよぶのであればむしろ自分が出たいです。
このことに限らず、助成金が出る、だから企画をたてる。というのはおかしいと思います。
年度末の道路工事のようなものではないでしょうか。
自分のやりたいことがあって、その金策を練って、助成金を申請したり、もしくはそれがだめでも、なんとか、別の策を練る。
本当にやりたいこと、本当に大切だと思うことをやることは、助成金の条件に帳尻合わせて行うものではないような気がしますし、助成金をもらうために企画を調整していいものができるわけがないです。
本当にやりたくて大切なことでしたら、助成金をくれる側にもなんとしてでも訴え続けたり、理解してもらえなければ別の方法を考えます。
美術界には助成金をもらうことに命がけな方もいますが、結局はお金に振り回されているのではないでしょうか。
勿論わたしもお金はほしいです。めちゃめちゃほしい。
もっと制作したいし、もっと大きいことをしたいし、もっと世界中のものを見たいです。
しかし、魂は売ってはなりません。
わたしは美術家、ものを作る人間です。
どんな仕事をしていても、そこのプライドは常に持っています。

@ちぇるる野毛http://cherurunoge.com/map.htm
次々別のアーティストでペインティングしていく予定です。
とりあえず、竹本からスタート!!
次は村田真さんです!!

@「竹本真紀と凪裕矢」展
4月28日(土)〜30日(月)ZAIM本館403 MA 11:00〜20:00
三浦謙樹さんも参加してくれるかも、、、。
http://za-im.jp/

@竹本真紀ブログ記憶処理研究所ちょっと整理しました。
こちらも合わせてご利用ください。
http://makimo.cocolog-nifty.com/


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