週刊「÷3」

TEXT by Maki Takemoto

竹本真紀 profile
1976
青森県八戸市に看護婦の母とバンドマンの父の間に生まれる。

1992
中学校卒業記念イラスト展 (八戸NHK)文化センター

1994
バンド「根城パラダイス」(八戸西高等学校体育館で一度限りのライブ)

1999
国立弘前大学教育学部小学校教員養成課程卒業
美術科卒業制作展(弘前大学学生会館、弘前VIVRE)

2000
ひいらぎ展 (柏高島屋ステーションモール市民ギャラリー)
美学校トンチキアートスクール入校 千葉県柏市在中


 今年もいよいよ終わりに近付いてまいりました。今年も良い出会いがありました。自分にとっては転換期でしたね。28歳という年齢にもなり、意識改革もしなくてはならない時期にさしかかってまいりました。先日、久しぶりに会った友達に「前の真紀ちゃんより今の真紀ちゃんが好き。」と言われました。うれしかったです。確かにちょっと前まで周りを寄せつけないようなオーラを放っていたかもしれません。それは、プライベートもうまくいっていなかったし、なにしろ金銭的な面でかなりきつかったというのもあります。
 わたしは、本当にお金で苦労してきました。わたしよりつらい人はもっともっと世の中にいるとは思いますが、親のもとにいる間はお金がないためにあきらめなければならないことというのは本当にたくさんありました。学生のときは十分な仕送りをもらっている人に心ないことを言われることもたくさんありました。しかし、人は人。わたしはわたし。と、マイナスを自分の個性としてエネルギーにして頑張ってきました。自分で働いて、美術を十分ではありませんが、やらせていただけている今、本当に幸せだと、感謝しています。
 美術は金じゃないという人がいますが、わたしもそう思う時期はありました。しかし、金です。流通してこそ、市民権を得ていくものだと思います。しかし、金もうけが先行してはなりません。お金は手段です。「美術は金じゃない。」という人はいまだに親もとで、親にご飯を作ってもらって偉そうなことを言っている人が多いです。最近読んだ本におもしろいことが書いてありました。「愛と、お金とどっちが大事?という質問はナンセンス。」愛とお金は比べてはいけないというのです。例えば柔道の階級の違う金メダリスト、どっちが強い?と言っているようなものだそうです。「金の切れ目が縁の切れ目」といいますがわたしはその場面も目の当たりにしてきました。それは売春、買春の世界の話をしているのではありません。それは思いっきり論外の世界で、お金があれば解決していたことってよく考えるとたくさんあるのです。
 わたしはもともとのお金持ちに出会うことが多かったので、人の気持ちをわからずに発言されたりすることで、わたしはお金持ちが持っていないものをたくさん持っているのだ。お金持ちが経験できないことをたくさん経験できているんだ。と強がっていましたが、最近は苦労してお金持ちになった人たちに出会う機会が多く、お金はないよりはあった方が良いということにあたりまえですが気がついたのです。「美術は金じゃない。もっと現実をみなさい。」という矛盾した発言。美術で生きていくなら、美術でしか生きてこれなかったのなら、美術で生きていくしかないじゃないですか。
 美術は俗世間からの逃げ場所ではありません。美術も現実。リアル。なんです。どんな職業でも生きていくのは大変です。しかし、わたしは自分の職業が好きだから頑張れます。来年はもっと美術が好きになれて、もっと前より今の真紀ちゃんが好き!といわれるようになりたいです。 良いお年を!

@竹本真紀個展
平成17年1月17日(月)〜22日(土)
午前11時半〜午後7時(最終日午後4時まで)
銀座 小野画廊

@東京都西荻窪のニヒル牛http://members3.jcom.home.ne.jp/nihirugyu1/で、記憶処理研究所、クライアントの未処理記憶サンプルを100円で販売中!
その他、カンバッチ、ポストカードも販売中です!

@横浜BankARTでの展覧会(詳細が決まりしだいお知らせします。)
2005年2月18日(金)〜3月15日(火)



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