CHEESE&WINE

TEXT by noda@N-mark


21世紀最初のオープンミィーティングは新栄の「やぶ屋」で開催されました。店の雰囲気はむっちゃ居酒屋でとても「チーズとワイン」なんていう感じではなかった。が、とりあえず、チーズと名の付くメニュー(カリカリチーズやチーズ揚げ)を注文。かろうじてワインもおいてあった。
今回の参加はN-markの二人とN-markではお馴染みの作家、KさんとOさんの4人。告知が開催直前だったのでま、しょうがないかな、と思ったが武藤氏曰く「200人に告知メールだして2人参加だと確率1%だね」という言葉に少しへこむ。
最初に書いてしまうと今回の内容は予告に掲げた「22世紀へ向けてのN-markの動向」というところまで話は及ばずもっぱら春に開催予定の「@PORT」に話題は集中した。
この企画においてN-markの役割は作家のコーディネートである。
実際主催者側と直接交渉にあたっている武藤氏によれば「@PORT/アットポート」は3月31日と4月1日に行われる港ストリートにおける実験的プログラムです。だそうだ。街を舞台にしたアートイベントなんてさんざんやりつくされているのに実験的であることは困難ではないかと突っ込んでみると「街のにぎわい作りっていう言い方じゃ参加する作家ひくでしょ」・・・確かに。それに実験的ってのをこれから考えるのである。 N-mark二人のキャラクターはこうである。いつもポジティブに突き進むのが武藤氏。ネガティブな要素を揚げて慎重論になる野田。今回「街でのアートイベント」ということで野田の不安はかなり大きな物である。なぜならかつてそういった企画に作家として参加したとき、「作家」「主催者」の関係が幸福なものであったことが少ないからである。それは私の作家としての個人的意見だったり力量だったりするのであるが、主催者が望んだものと作家が日頃制作している作品とはギャップが少なからず存在するからである。例えば主催者は街がにぎわったり、街の中で目立つようなモニュメンタルなものを望んでいたりするが、作家の制作の動機はかならずしもそういうところにあるわけでない。また知名度の低い作家によるグループショーのため観客の動員は(少ないことが)想像がつくし、それによってアートが街に浸透したケースや作家としてのキャリアアップに繋がったケースをあまり知らないのである。ま、これだけ不安(反省)材料をあげることができるのであれば、「@ポート」がそういった不幸にみまわれることはないだろうけど。
そしていつものように話題にあがったのが「アーティストのメジャー志向」についてだ。
僕はアーティストが「職業人」として生きていくのであれば(アートもアーティストも)メジャーにならなければ成立しないと考えています。武藤氏は「新しい価値観や理論的、あるいは感覚的なものを生み出すのはアーティストの仕事です。僕の甘い考え方かもしれませんがそれらに対応できるような環境がきっと自然と新しいムーブメントの中心になって行く。」と考えているようですが、僕は非常に焦りを感じています。自然の流れを待ってなんていられません。だって明日死んじゃうかもしれないんですもの。アーティストにとっての幸福や成功がどういったものかは人それぞれだと思うのですが、単純に経済的に満たされるというごく一般的な幸福をアーティストも口すべきだと思います。美術はどこか神聖なもので芸術家がお金のこととかを言うのは美しくないというアーチストの体質や社会の風潮には疑問があります。アートがいまひとつメジャーになれない(音楽や映画と比べて認知度や需要度の低さ)原因の一端はここにあると思います。例えばミュージシャンが1枚CDをリリースしたとき、ある監督が映画が公開になりとき、そういったときメディアはこぞってそれらの特集を組み発信していきます。なぜならそこにお金の臭いがするからである。そうすることで雑誌が売れテレビやラジオの視聴率が上がる。そいった資本主義(交換の原理)が成立するからである。アートはそういったものとは次元が違うとか、それはアートの純粋性を欠くとか言う人がいるかもしれませんが、資本主義国家で「職業人」として生きていくのであればタダで作品発表してという方が不純なのではないでしょうか? もちろん現状それでも作品発表を続けていくしかないのですが、がんばっていればいつか報われるとか「自然の流れ」を待つよりはなんらかのアクションが必要だと思います。もちろん良い作品を作ることがその方法であるって信じています。
でもひょっとしたら今の資本主義運動に対抗する運動によってユートピアが実現できるかも。500年後ぐらいに。(笑
と、オープンミーティングのことをレポートしようとしたのですが、僕が発言したことばかり書いてしまいました。
ま、こんな感じでやってますので、みんさん是非お気軽に参加してくださいね。

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