《アグレッシブマン》石田達郎 a.k.a.ジェット達





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夏になると、多くのミュージシャンたちはこぞって大空の下、自然の中へとくりだして行きます。
この10年来、夏の風物詩として定着した感のある「夏フェス」、夏の野外音楽フェスティバルである。
夏の空へ吸い込まれていく音楽は、それを奏でるミュージシャンにも、聞き入る観客にも一時の白昼夢を体験させてくれます。
現代美術を主に観ている私たちは、そんな開放的で祝祭的な雰囲気をいつも羨ましく思っていました。
美術館やギャラリーなどで作品を発表しているアーティスト、狭いアトリエに籠もって作品制作に励んでいるアーティストにも、それが必要、可能なはずです。

私たちは常々、アートのジャンルを横断した展開の可能性を模索してきました。
音楽のファン、アートのファン、それぞれがもっているアンテナは同じ種類であるはずなのに、その両者がクロスオーバーできずにいるからです。
同じことがアーティストにも言えます。アートも音楽も生み出している人間はアーティストと呼ばれているのに、活動のフィールドには大きな隔たりがあると言えます。

アートと音楽は観客を共有することができます。アーティスト同士も互いに刺激し合うことができます。
今回、岐阜県揖斐高原貝月高原スキーリゾートで開催される音楽フェスティバル「OTONOTANI」において、アートプログラムを展開いたします。
大自然の中、音楽を主体としたイベントに、アートという血が注がれたとき、そこにはまだ経験したことのない出会いがきっと待っているはずです。

N-mark+よろずアートセンターはち

※本プログラムは2009年9月21・22日両日に岐阜県揖斐高原貝月リゾートで開催される、野外音楽イベント「OTONOTANI」の主催者のご厚意、ご協力により実現するものであります。プログラムの内容はN-mark、よろずアートセンターはちが独自に企画、運営するものです。
※展示をご覧いただくには「OTONOTANI」の入場料金が必要です。
料金、会場へのアクセスは「OTONOTANI」公式サイトをご参照ください。

http://www.otonotani.com
本プログラムは無事終了いたしました。今回、このプログラムは音楽イベント「OTONOTANI」に完全にパラサイトするかたちで開催されました。
事前予告もほとんどされず、「OTONOTANI」の出演ミュージシャンを目当てに会場に訪れた人たちにとっては、完全にゲリラ的なものだったに違いありません。
従来開催される、アートファンのためのアートイベントではありませんでしたが、作品は見る人を大いに引きつけていました。矢島の作品の周りには自然と人が集まり、名和の作品でくつろぎながらステージを見やる。小澤の作品はテントサイトで異彩を放ち、斉との作品では記念撮影を楽しむ人たちを多く見ることができました。また、石田の2日間フルーツを豪快にほおばりながら音楽にノリ続ける姿は、mixiの「OTONOTANI」コミュニティには、ベストアクトとのコメントが掲載されました。
あらかじめ、アートが展示されているという了解を前提とした、予定調和の美術展では目にすることのできない、本当のアートの力を目の当たりにした気がしました。

(野田利也/N-mark)

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