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マニフェスタ速報
昨年度にCCA北九州のリサーチプログラムに在籍したヤネ・チャロフスキーとナイ ヤ・フランゴウリが組んだコラボレーションがこのManifesta
3に招待されたので、 私は彼らを取材させてもらう形で開催地リュブリアナを訪れた。
この都市は旧ユーゴスラビアから独立したスロヴェニアの首都であり、また西欧、 東欧、バルカン半島を結ぶ位置にある。Manifesta
3は、かつての東西カテゴリーが 消え再編が進む現代ヨーロッパを踏まえ、そして20世紀が終わり新世紀を迎える節目 を強く意識した、やや緊張感のある内容となった。テーマは「BORDERLINE
SYNDROME - Energies of Defence(境界線症候群-防御の力)」。この言葉は心理学用語で、属 している社会や場所から疎外される不安とか逆に外へ出たい等の心の動きに関する用
語らいし。Manifesta 3は「あなたは(境界)線を、なぜ、どこに引きますか?」 「境界線症候群に囚われていませんか?」と問いかける。
展示作品は、個人のコミュニケーションの問題から政治や社会、民族、戦争まで多 岐に渡るが、そのポジティブな態度に好感が持てる。その代表格は、ローマのグル-プ"Stalker"。ボーダーラインチューブをらせんに巻いた"越境トンネル"で、陽気で
オープンマインドな活動を展開している。越後妻有トリエンナーレで「HARLEM」のサ インボードを作ったMichael Elmgreen
& Ingar Dragsetの二人も参加していて、ここ では会場内に偽ギャラリーを出現させた。展示スペースの一角に部屋を作って壁に写
真作品を展示し、ギャラリストのお姉さんもいる。Suzan Philipszは、公園に向かう 遊歩道の途中に自分の歌声を断続的に流した。口ずさむようなアカペラは、英語なの
になぜか懐かしさを誘う。他にも、Ene-Liis Semperの自殺映像がスロー再生された り逆回転で死人が生き返っていく美しくも不思議な作品や、ロシアのAnton
Olshvang の写真作品「Battle Field」も良かったし、人々に「彼が訪れた最も思い出深い場所」 を作ってもらったRoman
Ondak、TVショッピング風プロモーションビデオが楽しい 「携帯空間ユニット」のRoland Boden、etc...。
さて、ヤネとナイヤのプロジェクトは、二人の母国ギリシャとマケドニアの間にあ る対立問題を訴えるために、フルーツマーケットを開いてりんごとオレンジを配り、
両国の民族音楽を1枚のCDに収めて会場の一角に流すというもの。CDについては、実 際はギリシャ側の許可が得られず、ギリシャの曲の部分はその長さだけ無音になって
いたり、フルーツマーケットもプレビュー期間だけの実施だったりと、必ずしも完璧 ではないのだが、それはそれで彼らの置かれている状況を表わしていて、なかなか良
かったのではないかと思う。
なお60組弱の招待作家は、旧ユーゴ諸国はもちろん、東欧やバルト三国他、広くヨー ロッパの地域から選ばれている。それは悪くないし作品も良かったのだが、今回はヨー
ロッパをテーマにしていることもあり、Manifesta 3には在欧州でない限りアジア人 はもちろんアメリカ人でさえ招待されていない。微妙な位置にあるイスタンブールか
らは招待されていた。確かに、マニフェスタは「ヨーロッパ(のため?)のビエンナー レ」であれば仕方ないし、すべき課題もまだまだ沢山あると思うが、ちょっと引っか
かる。展覧会が発展し閉鎖的にならないためにも、いずれ全世界の作家が対象になっ てほしいところである。欧州もあるが世界もある、とか何とか...。
大友 恵理
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マニフェスタ
会期:2000年6月23日〜9月24日
URL:http://www.manifesta.org/
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大友 恵理
1970年 生まれ
1993年 弘前大学人文学部人文学科卒業
1995年 アートを見ておしゃべりするオーディエンスグループ「現代美術を語る会」設立
1998年 CCA北九州リサーチプログラムキュラトリアルスタディ終了
2000年 「Here.Now 2000-1997」展に参加
マニフェスタへ取材を兼ねて旅行
後日フォトドキュメントも作る予定です。 作品紹介はかなり省略してます。
速報にはもう1ヵ月も経っちゃいましたが、 週末には越後レポートをまとめられると思います。
Manifestaのフォトドキュメントは後日掲載します。
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