北山美那子
KITAYAMA Minako
(Nagoya)



APPLE
N-mark collection2000

名古屋港の倉庫群で
開催予定の展覧会

2000/10/10 〜 10/15

アーティスト
澤登恭子SWANOBORI Kyoko (Tokyo)
木村崇人KIMURA Takahito (Tokyo)
北山美那子KITAYAMA Minako (Nagoya)
高平真帆 TAKAHIRA Maho (Fukuoka)
佐藤優 SATO Yu
(Tokyo)
溝口康彦 MIZOGUCHI Yasuhiko (Nagoya)
小川良子 OGAWA Ryoko
(Nagoya)

 

ビデオプログラム

 

アップル・パイ

2000年8月の真夜中、クーラーの効き過ぎたファミレスで、アップルティーを飲みながら武藤勇が声を震わせながら熱く語った。「ヨーロッパには、アートのサーキットがあり、皆同じグランドで戦っている。そういう環境が必要だ。」 名古屋港20号倉庫に全国から集まった7人の侍は、それぞれ近づきすぎず、遠すぎず自らの居心地のいい距離間を保ちながら同じグランドに立っていた。 オープニングのパフォーマンスを見た有馬かおるさんが「アートの中に来たって感じだ、みんな戦ってるんだね」と言った。

わたしは、グループ展に参加していること、アートに守られていることに少し不安を憶えて熱をだした。 今回、アップル展に参加するかしないか、ドクターストップかのせとぎわで、私は病室のベッドからテレビを見ながら迷っていた。番組で、太田光が久米宏と即興コントに挑戦していて、 久米「生きるべきか死ぬべきか」
太田「死というのは重過ぎます。じゃ、こうしましょう、生きるべきか笑うべきか。ギャハハ。」 (久米、笑い過ぎてしにそうな演技をしてみる。いろんなバージョンのかけ合いが続く。)
太田「生きるべきか・・・・」 (落ちが無いまま対談へ)
太田「僕は、豆腐が好きなんです。なぜかって気持ちいいから。」
太田「生きるか、気持ちいいか!」 その一言で、わたしはアップル展に参加することにした。

  稚拙でも過剰なものが欲しかった。 今まで単発で「さよならミルク」というパフォーマンスを各地でやってきて、毎回必ず何にも置き換えることの出来ない爽快感に包まれていたことを思い出した。 それを、毎日欠かさず続けたらどうなるのだろうか、その気持ちよさは続くのだろうか。観客のいない自宅のビデオカメラの前での意識は変わるだろうか。中毒患者のように、コンビニで牛乳を毎日買って帰った。来る日も来る日も。きもちいい。それが日課となった。
 わたしにとって、もう展覧会会場はまるでヴィトアコンチの床下オナニーのように、ひそやかな楽しみと、人の気配による興奮とに包まれていた。 そんな中、ちょっとの不安は初日の一晩のうちに大きくなってしまった。 なんだか、企業展のようなかんじ。 それから、パフォーマンスを「始めます」と「終わりです」でまとめるのは何?
 わたしにとって、もう展覧会会場はまるでヴィトアコンチの床下オナニーのように、ひそやかな楽しみと、人の気配による興奮とに包まれていた。 人の作品の中に入り込むことにした。、今までストリートや通天閣、クラブ、ライブハウスでやってきたように。美しいと思った時に、きれいな状態ではじめ、終わっても拍手はいらない。そう思ってから、
 わたしにとって、もう展覧会会場はまるでヴィトアコンチの床下オナニーのように、ひそやかな楽しみと、人の気配による興奮とに包まれていた。

生きることは、美しくありたい。そう信じたい。そうでなければどうすればいいのでしょうか。そんな手紙が届いた。 わたしにとって、もう展覧会会場はまるでヴィトアコンチの床下オナニーのように、ひそやかな楽しみと、人の気配による興奮とに包まれていた。 アップルパイは、かさかさの皮が崩れ非常に食べにくい。突然なかのりんごのとろみがものすごく熱くて舌をやけどすることもある。

北山美那子(11/1/2000)

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